第116章 阿部明人も中毒した?

有岡里穂が言い終えた瞬間、ホールはしんと静まり返った。息苦しいほどに空気が張りつめる。

「有岡里穂、お前……ふっかけすぎだろ! 3%の取り分がどれだけの額か分かってんのか!」

石野星紀が堪えきれず、顔を上げて怒鳴った。

「分かってるよ」

有岡里穂は微笑んだまま石野星紀を見つめる。けれど、その瞳の奥に笑みは一滴もなく、凪いだ冷たさだけが底に沈んでいて、見ているだけで背筋が寒くなる。

石野の父が低い声で訊ねた。

「ほかに落としどころはないのか」

「あるよ。法廷で会うっていう選択」

有岡里穂は一歩も引かない。

その言葉に、石野の父の胸がずきりと痛んだ。

――この娘、見た目はおっ...

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